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和食&中華総菜とワインのコラボレーション

ワインのつまみといえばチーズや生ハムが定番ですが、日本人ならやっぱり和食でしょ。ということで、イカの塩辛や刺身、コロッケ、ギョーザなど、普段のおうちご飯に合うワインを探してみよう、というワイン会を開催してみました。そして意外にも和食と中華にばっちり合うワインを発見!はたしてどんなワインだったのでしょうか。


■ 和食とワインってどうなの?


皆さん、ワインを飲む時にはどんなおつまみを用意しますか?私はチーズ、サラミや生ハム、パスタなど、洋風のおつまみが中心。でも普段食べているご飯はコテコテの和食。ワインを飲む際には、わざわざ洋食を用意しているのです。


そしてある時ふと思いました。普段食べている日本の家庭料理にワインって合わないのかな?と。よく考えると和食にワインを合わせてみたことが無い気がする。「ワイン=洋食」という固定観念に縛られてやしないか?実は和食にも合うワインがあるのではなかろうか??



もし和食に合うワインが見つかれば、ワイン用に無理して洋風おつまみを用意しなくてもよくなる。そしたらいつもの晩ご飯でもワインが飲める!気軽に晩酌できる普段使いのワイン、ぜひとも探したいぞ~。ということで、「和食&中華総菜とワインのコラボレーション」というテーマでワイン会を開催してみました。


■ ワインっぽくないおかず群


普段使いのワインを探そうというテーマなので、ワインは単価が1000~2500円までの間でチョイス。そしてつまみにはイカの塩辛、漬物、野菜の胡麻和え、ピータンと空豆のマヨネーズソース、煮物、お刺身、肉団子、シューマイ、餃子、コロッケ、鶏とカシューナッツの炒め物、とワインをまったく連想させない料理をあえてセレクト。かなりチャレンジャーな組み合わせですが、これが意外にも新しい発見の連続に!


■ 刺身に万能なワイン


まず登場したのは2004 ドメーヌ・マルタン・ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ・シュール・リーVV (1,280円)。フランス、ロワール地方のミュスカデという品種で作られた白ワイン。ミュスカデには「安ワイン」というイメージがあるようですが、しっかり作ってあるミュスカデは爽やかでキレが良く、とても美味しい。どんなシチュエーションでも合わせやすいので家に常備しておきたいワイン。ウニ、イクラ、しめ鯖、などの個性の強い生魚はもちろんのこと、塩辛をはじめとするあらゆる和食と好相性。



次の2005 シャトー・メルシャン甲州きいろ香(2,415円)は山梨産の甲州品種の白ワイン。グラスに注いだだけでさわやかな香りがふわっと広がり、飲み口はきりりと爽やか。和風な柑橘系の香りが本当に爽快。料理に柚子やかぼすを加えると香りが倍増して味に深みが増しますが、それと同じような効果をもたらす優等生。


ミュスカデは和食をじゃましないのに対し、きいろ香は和食をさらに美味しくするまさに和食のためにあるようなワイン。参加者全員べた惚れでした。きいろ香は限定生産のため、三越をはじめとする限られたワイン屋さんでしか入手出来ないワイン。売り切れる前に買い占めたい!


■ しそギョーザに合わせるなら


2004 高畠ワイナリー・フレッシュ&ドライ・シャルドネ(1,586円)は山形産のシャルドネを使った白ワイン。「山形でシャルドネが出来るの!?」と皆びっくり。国産のシャルドネと聞いてもピンとこないのですが、このシャルドネはその名の通りすっきりドライでとても美味しい。まろやかでふくよかな、すりおろしりんごのような香り。和食とも合いますが、唯一イクラなどの生臭みのあるお刺身とは少し相性が悪いかも。


そして2004 ウエストケープハウ・ソービニヨンブラン(AUS$16)が登場。オーストラリア産のソービニヨンブランということで、今までの3本よりもかなり濃い白ワイン。お刺身などのあっさりした料理はワインに負けてしまいましたが、逆にしそギョーザなど油分の多い料理にはばっちりマッチ。ボリュームのあるワインには、それなりにオイリーな料理の方が合うということを再認識。


■ 大和撫子


次に赤ワインが登場。2003 ルバイヤート・ルージュ(1,575円)は山梨産のマスカット・ベリーAとメルローから作られたワイン。雑味や荒さがまったく無く、とてもきれいで優等生的。すーっとのどの奥に流れていき、飲み込んだ後に香りがふわっと漂うやさしいワイン。程よい渋みもあり、ロゼと赤ワインの中間に位置するようなボディ。かつおのタタキ、中華、シューマイ、はたまた塩辛にも相性抜群。さりげなく料理をささえる大和撫子。これをマズイと言う人はいないでしょう。



2004 カンボン・ボジョレー・マルセル・ラピエール(2,180円)はボジョレー・ヌーボーで有名な、フランス、ボジョレー地方のワイン。今までボジョレーというとヌーボーしか飲んだことがありませんでしたが、意外や意外、ボジョレーの普通のワインは安くて美味しい。軽やかで優しい渋みは和食や中華とも合わせやすく、マスカット・ベリーAにも似た魅力が。


■ シューマイには


そして2004 キザン・セレクション・メルロー・カベルネソーヴィニヨン(2,394円)は山梨産のボルドーブレンド。国産のボルドーブレンドはあまり美味しいものに当たったことが無いので期待しないで飲むと、これがものすごく美味しい!しっかりした果実味とタンニン。雑味が全く無くまろやか。香りが良く、深みもある。でも主張しすぎないので和食や中華の肉料理、特にシューマイとの相性がばっちり。この価格帯でこの品質は、海外のワインでもなかなか見つけるのは難しいのでは。


最後に登場したのは2003 ラビットリッジ・プリミティーボ・パソロブレス・ウエストサイド(US$14)。カリフォルニア産のジンファンデルを早摘みした赤ワイン。ジンファンデルは赤ワインの中でもかなり濃い品種。じゅわっとジューシーな果実、ボリューム満点、アルコールも高め。ステーキには最高のワインですが、今回用意した料理には少し個性が強すぎるかも。


■ 日本人には国産ワイン!


8種類のワインを飲み比べてみた結論は、普段のおうちご飯には国産ワインがとても合う!ということ。今まで国産ワインというとあまり良い印象が無かったのですが、今回飲んだワインはどれも実に美味しく、和食や中華とも絶妙の相性。三歩下がってさりげなく料理を支えるその姿はまさしく大和撫子。同じ土地で育った食材や料理法は、やはり合うのだな~ということを強く感じました。


ここ数年国産ワインの技術向上がめまぐるしく、次々に高品質なワインが誕生しているそうです。国産ならワイナリーにも行きやすいし、新しいワインを発掘する楽しみも増えますね。今すぐにでも山梨にワイナリー巡りに行きたくなるような、そんな魅力あふれるワインが目白押しでした。


今晩はアジのなめろうと、きいろ香を合わせてみようかな。


[文・写真 飯島みなみ]

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